SEIMITSU KOMA BY YUKI SEIMISU 由紀精密の作る精密コマとは？

製造元である由紀精密は、もともとジェットエンジンの主要部品や、超小型宇宙衛星の部品などを製造している会社です。少しの狂いが人の命にかかわるような部品を日々製造している由紀精密が、全力を注いで作った精密コマ。当然、その精度は折り紙つきです。上手く回してあげると、コマは寸分の狂いなく回転し、まるでコマが直立したまま停止してしまったのではないかと思うほどの、幻想的な姿を見ることができます。言葉や写真だけでは伝え難い魅力をもっていますので、気になる方は、ぜひ一度ご自身の手でこのコマを回してみてください。
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SEIMITSU KOMA

由紀精密のコマには3つのバリエーションがあります。精密コマは、その中で最もスタンダードなコマです。ヘッドの部分に3本のラインが入っています。コマの側面には凹凸がなく、滑らかで空気抵抗が少ないため、長い時間回すことに重点を置いたデザインといえます。

KENKA KOMA 1

喧嘩コマは、二つのコマをぶつけ合う、コマ相撲のためにデザインされたコマです。#1のタイプは上部にラインが1本入っています。側面に凹凸があり、この面が相手のコマと激しく衝突します。

KENKA KOMA 2

もうひとつの#2は、プレイヤーを見分けるために上部にラインが2本入っています。形状は#1と全く同じなので、コマの優劣ではなく、純粋にプレイヤーの力量で勝負をつけことができます。

RECORD 1:37:55 記録 1分37秒55

とりあえずどれくらい回るのかな？と回転時間を計測してみました。最初の計測なので、気負わず軽い気持ちで...と試したところ回る回る。ストップウォッチが60秒を超えた辺りからドキドキしてきて、1秒ごとにコマと時計を見比べます。ゆらゆらとコマが大きく揺れはじめ、もうだめかな…と思ってからがまた長く、最終的にころころとコマが地面を転がってようやく動きを止めました。私、精密コマをなめていました。まさか軽く回しただけで1分37秒の記録が出るとは…。これはもしかして、3分くらい回るのでは！？と思い特訓を始めました。よければ以下リンクより平田の特訓成果をご覧ください。

平田のコマ回しチャレンジ

CHARM OF FIGHT KOMA 喧嘩コマの魅力

今回、私が精密コマを気にしはじめたきっかけは、よくお店に来てくださるお客様と、オーナー井村が喧嘩コマで戦っている姿を見たからでした。もともと素敵な製品だとは思っていましたが、2つのコマが音を立ててぶつかり合う姿がもう、言葉では伝えきれないほどかっこいい。回転によっては何度もぶつかり合いながらゆるやかに決着がついたり、はじめの1回の衝突で2つともが場外へはじき出されるような勢いのある展開になったりと、何度見ても飽きません。一度ぶつかったら回転数はすごく落ちたりするのかな、と疑問に思い、戦っている2つのコマをiPhoneでスローモーション撮影してみました。普通のカメラではあまりに速すぎて回転数までは分かりませんでしたが、このスローモーションの姿が、とてもかっこいいんです。金属と金属のぶつかりあう鈍い音が響きます。



二人があまりに楽しそうに回しているので、実際に自分でも回してみると、これが非常に感動しました。小指程度の小さなコマが、まるで静止しているかのようにしっかりと軸を保ちながら回る姿は、美しいの一言です。ずっと眺めていても飽きません。この美しい姿勢を自分で回して作り出せた時には不思議な達成感がありました。小さいながらも溢れんばかりの魅力が詰まった精密コマ、ぜひ皆さんも楽しんでみてください。

文：平田 敦子