Mezzadro メッザドロ

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レディ・メイドの名作デザイン

カスティリオーニ兄弟がデザインを手掛け、1957年（※）に発表した「レディ・メイド」をコンセプトとしたスツールです。レディ・メイドというのは、主として芸術作品の中に量産品を取り込む近現代美術の作品概念で、1900年代初頭に多くの物議を呼びました。
このスツールを象徴する座面部分には、トラクターのシートが用いられています。このシートは、量産された既成の座面の中で「快適で、かつスタンダードなもの」であり、さらに「貧しい労働者の象徴」であるという皮肉が込められていました。そのほかにも、レーシングバイク用のナット、帆船の横木といった「既成の要素」の組み合わせによって、この美しいデザインが構成されています。

実用的な作品です

このスツールが素晴らしいのは、単なる鑑賞用のアート作品に留まらず、優れた座り心地を備えたデザインとして昇華されているという点です。この作品はデザインの世界にも一石を投じ、歴史的な作品として世界中の美術館に永久収蔵されています。
（※1954年のミラノ・トリエンナーレに初出展 → 1957年の展覧会で改良形を発表 → 70年代に一般発売）